ステロイドをやめる決断
― 不安と向き合いながら、自分の体を信じるまで ―
はじめに
チューブから薬を出すたびに、指先が少し重くなる感覚がありました。
「今日も塗らなきゃ」という安心感と、 「またこの薬に頼ってしまう」という後ろめたさ。 その二つの気持ちが、いつも同時に胸の中にありました。
塗れば、たしかに赤みは引いていく。 かゆみも落ち着いていく。 けれど、しばらくすると、また元に戻ってしまう。
その繰り返しの中で、ある日ふと、こんな言葉が浮かびました。
「このままでいいのだろうか」
薬をやめたいわけではありませんでした。 ステロイドを否定したいわけでもありませんでした。 ただ、「薬に頼り続ける自分」と、 「自分の力で整えていく自分」のあいだで、 どう折り合いをつければいいのか、わからなくなっていたのです。
このシリーズの第1作『アトピー改善までの記録』では、 私自身のアトピーとの向き合い方についてお伝えしました。 その中で何度も出てきたのが、このステロイドという存在です。
今回は、その部分を掘り下げて、 私がステロイドとどう向き合い、 どんな不安を抱えながら、どんな経緯でやめる決断をしたのか、 できるだけ正直にお伝えしたいと思います。
最初にはっきりとお伝えしておきたいのですが、 これは「ステロイドをやめましょう」という記事ではありません。
ステロイドは、医学的に効果が確認されている治療法であり、 多くの方にとって今も必要な選択肢です。 自己判断で急に使用をやめることは、 症状の急激な悪化(リバウンド)につながる可能性があるとされており、 決して推奨されるものではありません。
この記事はあくまで、 私という一人の人間が、主治医と相談しながら歩んだ、 一つの記録としてお読みいただければと思います。
なぜ今、この話をしようと思ったのか。
それは、当時の私と同じように、 薬を否定するのでも、盲信するのでもなく、 「自分の体とどう付き合っていけばいいのか」と 静かに悩んでいる方が、きっと多いはずだと思ったからです。
その悩みに、少しでも寄り添えたら。 そんな想いで、この文章を書いています。
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